治療について


 

 

当院の施術について

 当院での施術は、深部筋肉の凝り、強張りをゆるめ、痛みを緩和させて

いくことを目的としています。
施術後症状が楽になり、恐怖や不安で悩んでおられた心の中に[ゆるみ]や[余裕]が出て頂けるよう、患者さんの症状と向き合って参ります。

施術に使用する道具は、鍼灸(しんきゅう、はりきゅう)であったり、手指を使った手技療法や低周波、温冷刺激によるの物理療法、またバランスを整えるためのテーピング、と色々あります。
その中からひとりひとりの患者さんに合う「道具」、「方法」、「刺激量」を選び、体の深部まで脱力、リラックスしてもらえるような施術をさせて頂いてます。

その中でも当院の施術は鍼灸を用いることが多くなっています
なぜなら
、鍼灸の痛みを引かせる効果を身を以て経験したことが多々あり、その効果を皆さんにも共感してほしいという想いがあるからです。鍼灸は決して超常現象などのあやふやなものではなく、痛みを抑える機序、しくみが現代医学に於いて有効性が認められています。その証明として国が認めた疾患(症状)においては健康保険が適応になっているくらいです。
現在においても補完代替医療、統合医療としての可能性に魅了され続けています。

もちろん鍼灸を苦手に感じる方も割と多くおられます。その場合は鍼施術を強要する事はありませんのでご安心ください。苦手意識の強い方には、皮膚から1~2ミリだけ刺入する方法や、丸いテープの中心に小さな鍼がついたもの(円皮鍼)を貼ったり、又は皮膚に刺入しない鍼を用いて施術をしていくことで対応させてもらっています。

 



では具体的な施術の流れをお伝えしていきます。

まずは痛みの緩和に特化した施術についてです。  

どの施術にも共通していますが、痛み症状やつらいところをまずは患者さんにお聞きしていきます。
いつごろ、何をしていて、どのように痛めたり辛くなったりしたのかを教えてもらうことで、お悩みの症状の原因を探っていく事ができます。気がつけば痛くなっていたと言われる方もたまにおられますが、よくよくお聞きすると忘れていただけで、「そういえばあの時、、!」ということもまぁまぁありますので気になることがありましたらどんどんお伝えくださいね。

また症状の辛さ痛さは患者さんの主観によるものですが、より視覚的に分かりやすくするために、施術前後で疼痛評価表(VAS:visual anaiogue scale)を記入していただきます。ご自分の症状を明確にしてもらい施術に対して前向きの感情、「楽になりたいっ」という意識を高めてもらう狙いがあります。

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症状の確認ができましたら次に痛みの原因になっている部位(主に筋)を特定していきます。
その後施術によって筋の硬化、強張りを和らげ痛みを抑えていきます。

患部の特定
先にお聞きした患者さんの訴えをより明確にする必要があります。
痛みを訴えられる部位と、その痛みに関与しているであろう場所、具体的には痛めている筋肉と、筋が筋膜で連結している部位などに原因があることが多いです。201405231筋連結

<参考文献:骨格筋の形と触察法 編集 河上敬介 小林邦彦 著 河上敬介 磯貝 香 より>

そのあたりを浅層部位の皮ふ、筋、筋膜とを始めます。するとここだ!と主張するところがでてきます。それは皮膚表面の緊張が強いところ、うっすらと凹みや盛上がりのあるところ、ざらつきや汗ばみのあるところなど様々な反応で主張してきます。

反応のある部位に指が触れたところで、皮膚表面のの浅い層から骨ギワの深い層まで、ゆっくり押したり引いたりしながら、どの深さで痛みを出しているのかを患者さんの反応を診ながら特定していきます。

痛みを引き起こす原因となる筋肉の凝り、硬結(こうけつ:硬く索状になった塊)を指先でとらえると、ズーンとかズシーンやジワーっと感じます。たとえ浅い位置に患部が有ったとしても、触れるだけでとても気持ちの良い感覚があったり、逆につらい症状の痛みが再現されます。深浅は人それぞれなので触診でしかわかりません。お体の調子や体つき、血色などである程度推察はできますが、触らせて頂くのが一番です。痛みの場所や深浅が確定しましたらいよいよ直接症状を緩和させるための

深部の筋肉に直接鍼を当てていきますので、使用する針は約5〜9㎝の長さになることもあります。これを患部に届くように刺激をしていきますのでなかなかの強い刺激があります。

痛みを引き起こす原因となる筋肉の凝り、硬結(硬く索状になった塊)に鍼が当たると、ズーンとかズシーンやジワーっと感じます。これを「響き」と言います。 響きの表現を知らない方はしばしば痛みとしておっしゃいますので、チクッとした鋭い痛みなのか、ズシーンとした鈍い痛みなのかをお聞きして、有効な刺激に なっているかどうかを判断します。もちろんズシーンと感じるのが良い反応です。

良い反応である「響き」 であっても、その感じ方は大きく個人差があります。違いを挙げますと、過敏すぎる方は指を患部においただけで顔をしかめ体を強張らせる事もあります。しか し感覚が鈍くなっている方は、当院で使用するもっとも太い鍼を用いて痛い部位へ響かせても、痛いとも言わずに平気で身体を動かそうとします。普通はそんなことすると鍼の刺 さった場所がズキンッ!ウワーーッと疼いて大変です。こんな具合で大きく差があるのです。

なので鍼灸を初めて受けてみようという方はちょっとした恐怖心を抱いてしまうかもしれません。

その場合は、まず「てい鍼」という刺さない鍼(先が丸まっており圧迫刺激となります)を用いて患部の刺激に慣れてもらってから肌に貼る円皮鍼という直径 10mm位の絆創膏の中央に鍼のついた物を使って施術していきます。その刺激に慣れてきましたら、刺入する鍼に切り替えていくようにする場合もあります。

 痛みを解消させるために響きの刺激が有効なのは次のような作用が体で起こってると考えられます。それは、凝り、強張りに鍼をしたり圧迫刺激を加えることで、まず局所の血流が改善され、次に痛んだ組織や細胞を血液中の栄養分が修復します。結果、損傷部位が回復に向かうと考えています。

 当院ではこの考えを基礎理論として施術にあたっています。

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